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読書輪読会、雑談的に楽しく、ときにはポロリと……。

2015.08.29

あと2回くらいで、この『里の在処(ありか)』も読了です。
著者の内山節(うちやまたかし)さんは東京育ちの都会生活者でしたが、群馬県上野村を自分の里にして、山村の生活を内的に確かめています。古里とは魂の帰りたがる所であり、自然や人との係わりの中に自分を確かめることができるし、そこで培われたてきた生活の仕方や技術が「文化」なのだと言っているのでしょうか。
現代人が便利で合理的な生活に憧れて求めた先にあった内面的な空虚感を満たしてくれるものが実は農山村の生活にはあったのだという確かめが語られています。「金もうけをしたいなら都市のほうがいい。しかし悔いのない暮らしをしたいなら村の方がいい、村には本当の豊かさがある」という著者が伝える村人の言葉が印象に残りました。
輪読会出席者からは自分のアイデンティティを求めた青春の課題がポロリと出てきました。垣間見える深淵。人はこの地球に生まれた旅人であり、しかも生まれ変わり、私になっている不思議。そこから紡ぎ出される生活。
次回は9月29日(火)18:30、どなたでも気軽にご参加を!